インプラント

インプラントとは、チタン製のボルトをあごの骨に打ち込み、咬む機能を回復させる治療です。
歯を失った後におこなう治療には、インプラントのほかにも入れ歯やブリッジがありますが、見た目や使い心地がもっとも優れているのがインプラントといわれています。

●インプラントの構造

インプラントは、あごの骨に埋め込む「インプラント体」と、歯の部分にあたる「上部構造（人工歯）」、その二つをつなぐ「アバットメント」の3つでできています。

・インプラント体

人体に馴染みやすいチタンを用いたものが多く、メーカーによって形状が異なります。
チタンはアレルギー反応をおこしにくい特徴があり、ペースメーカーや人工関節にも使われている素材です。

・上部構造（人工歯）

素材にセラミックが使用されることが多く、天然歯とほぼ変わらない見た目に仕上げられます。
また、素材の性質上、表面に傷や汚れがつきにくいため、きれいな状態を長く維持できます。

・アバットメント

インプラント体と上部構造をつなぐ部品です。
上部構造の向きを自由に変えることができるため、インプラント体がまっすぐに埋め込めないケースでも問題ありません。

●メリット

・使用感が天然歯に近い

あごの骨に直接埋め込むため、咬む振動が伝わりやすく、使用感は天然歯とほぼ変わりません。
組織に炎症などのトラブルがおこっていない限り痛みを感じることもないため、快適に使用できます。

・見た目が自然

天然歯のように上部構造（人工歯）の部分だけが表にみえる形となるため、一目みただけではその歯がインプラントだとは分からないでしょう。
色も透明感のある白さにできることから、とても自然だと好評です。

・ほかの歯に負担をかけない

入れ歯やブリッジは、欠損部（歯を失った部分）の両端の歯が支えとなって機能しているため、その歯に負担がかかり、寿命が短くなる可能性があります。
一方でインプラントは独立タイプの治療であることから、ほかの歯に負担をかける心配がありません。

●デメリット

・保険がつかえない

入れ歯やブリッジのように保険でおこなえる方法がないため、高い治療費がかかります。
自費診療は歯科医院によって金額が異なり、インプラントの場合は安ければいいというわけでもないため注意しなくてはいけません。
インプラント治療の費用相場は、1本あたり300,000円〜400,000円です。

・歯周病に弱い

歯周病は、歯ぐきの病気と思われがちですが、進行するとその下にある歯槽骨も溶かされてしまいます。
インプラントは歯槽骨にボルトを埋め込む治療であるため、歯周病が悪化すると脱落する場合があります。
治療後のメンテナンスは欠かせません。

・一生つかえるものではない

いくらアレルギー反応がでにくいチタンを使用していても、100％安全とは断言できません。
中にはチタンでも合わない方もいます。
また、お手入れレベルにも左右されるため、一生使えるものと思って受けるのはおすすめできません。
身体との相性が問題なく、定期メンテナンスもしっかり受けている場合は、入れ歯やブリッジよりも長持ちするといわれています。

●メリット

・費用が安い

保険で製作する場合、ブリッジやインプラントよりも安く作れるため、できるだけ費用を抑えたい方や、欠損部への治療がはじめての方に人気があります。
1歯用から製作が可能な部分入れ歯と、天然歯が1本もない方向けの総入れ歯があります。
保険を適用すると片あごで1,200円（1割負担）〜9,000円（3割負担）です。

・取り外して洗える

欠損部の機能を回復する治療のなかで、唯一取り外しができるのが入れ歯です。
直接汚れをみながら落とすことができるため、衛生的に管理しやすいといえます。

・修理がしやすい

使用していて痛みがあったり、落として割れたりしても歯科医院で簡単に修理が可能です。

●デメリット

・違和感が大きい

歯ぐきを覆うようにして被せて使用するため、違和感が大きく、慣れるまでに時間がかかります。
総入れ歯の場合は嘔吐反射が強い方だと耐えられないことも珍しくありません。
自費の総入れ歯であれば、金属を使って厚みを減らすことが可能ですが、ブリッジやインプラントとくらべるとやはり違和感はあります。

・何度も調整が必要

歯ぐきに被せて使用しますが、入れ歯自体が硬いのでしっかり形が合っていないと痛みがでます。
しかし、ただはめている状態と、食事をしているときとでは感覚が異なるため、1回の調整で完璧に仕上げられるケースはほとんどありません。
不快感のない入れ歯にするには、数回の調整が必要です。

・取り外して洗わなければいけない

取り外さずに歯磨きをしてしまうと、入れ歯と歯ぐきのすき間に入った汚れが残ったままとなり、歯ぐきの炎症や口臭につながります。
菌が増殖することで、誤嚥性肺炎のリスクも高まるため、歯磨きの際はかならず入れ歯を外して別でお手入れをする必要があります。

・自費の場合は修理が難しい場合も

保険の入れ歯であれば、一般の歯科医院で取り扱っている材料で修理が可能です。
しかし、自費の場合は特殊な材料を使っているため歯科技工所へ発注する形となり、戻ってくるまでに1週間ほどかかります。

●メリット

・違和感が少ない

被せ物を連結させて作るブリッジは、歯列からはみ出る部分がなく、違和感は少なめです。
歯ぐきを傷つけるという心配もありません。

・自然に咬むことができる

入れ歯のように、歯ぐきに接しているわけではないため、咬みこんでも問題ありません。
今までと同じ力で食事が楽しめます。

・手術が必要ない

違和感がなく、自然に咬めるとなるとインプラントと似たように感じるかもしれませんが、手術が必要ないため、身体への負担はブリッジの方が軽いといえます。

●デメリット

・両端の歯を削る必要がある

被せ物を連結させるブリッジは、欠損部の両端の歯がないとできない治療です。
そのため、たとえまったく虫歯のない健康な歯が対象であっても削らなくてはいけません。
すでに虫歯がある場合や、過去に神経の処置をした歯であればまだいいのですが、健康な歯の場合はほかの治療法をおすすめします。

・ポンティックの下に汚れがたまりやすい

ポンティックとは、欠損部に位置する人工歯のことです。
両端の歯に被せるクラウンと連結しており、歯ぐきとの間には少しすき間が存在します。
すき間には汚れが入り込みますが、意識していないとお手入れができない部分であるため、歯ぐきが腫れてしまう方も珍しくありません。
ブリッジ専用のフロスも存在しますが、通常のフロスとは使い方が異なり、続けられる方は少ない傾向にあります。

インプラント治療は保険が適用されないため、費用がかかります。
予算の関係で諦めてしまう方は決して少なくありません。
また、手術が必要であるため、お悩みになる方が多いのにも納得です。
しかし、入れ歯やブリッジよりも使い心地がよく、ほかの歯を傷つける心配がないことは、インプラントの絶対的強みであり、だからこそ「治療を受けて良かった」というお声も多くいただいています。
おがわ歯科クリニックも自信をもってご提供していますので、まずは一度ご相談ください。

●インプラントのことを、ぜひご存じになってください。

おがわ歯科クリニックでは「費用が高い」「手術が必要」この2つの理由ですぐにインプラントを選択肢から外してしまうのは、あまりにもったいないと考えます。
表面だけの情報で判断するのではなく、数年先の未来を見据えて後悔のないよう選択しましょう。
それができるように、事前の説明では「分かりやすさ」を大切にしています。
ぜひ、インプラントのことについてもっとご存じになってください。